Totalpac IT
医療機関のDX化支援と管理負担削減を実現する、医療機関向けIT機器・ システムの一括提案・長期保証(10年)サービスです。
「Totalpac IT」で医療機関のDXを全面サポート
——「Totalpac IT(トータルパック・アイティー)」の概要と、その開発背景を教えてください。
「Totalpac IT」は、医療機関様向けに電子機器やITシステムなどを、一括で提案・提供する月額制のサービスです。電子カルテから医療DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要なシステムまで、全てまとめてご用意しています。
背景ですが、喫緊の課題ともいえる医療DX推進策に対して、医療施設によっては経営状態の悪化で、電子カルテを含む医療情報システムの導入費用を捻出できないという現状があります。
この課題に対しての解決策の一つとして、弊社がご提案するのが「Totalpac IT」です。
以前から医療機関へパソコンやモニターの販売などを行っていた私たちですが、医療機関様側から相談をいただくことも多々あり、中でも医療DXに関しての状況は深刻でした。実は、政府が掲げる「医療DXの令和ビジョン2030」では、全ての医療機関に電子カルテを導入し、クラウドを活用して情報を最適化・統合することが目標とされています。しかし実際の基盤整備は各院の対応に任されていることもあり、膨大なコストや労力がかかることから、医療機関によっては対応が非常に難しい状態にあるんです。多くの医療機関は医師自らが経営に関わる役割を兼務していたり、経営の専門知識を併せ持っていなかったりするケースが少なくありません。
私たちはそんな医療機関様の役に立ちたいと考え、RYODENが積み上げてきた他事業のノウハウを駆使して、「Totalpac IT」を提供することにしました。
——具体的なサービス内容や、提供機器について教えてください。
医療機関のIT環境を包括的にサポートするために、電子カルテシステム、パソコン、モニター、サーバー、クラウドサービスなど、医療DXに必要な構成機器全般を提供しています。
例えば電子カルテシステムは、患者のカルテデータを電子化し、効率的な情報管理を可能にします。迅速にデータへのアクセスと共有ができるので、膨大にあるカルテの管理がスムーズになり、紙のカルテを使用する煩雑さから解放されます。さらにデータ管理をクラウド化することで、関連する機関とのデータ共有が可能となり、遠隔診療への活用やバックアップも実現します。
クラウド化に抵抗のある医療機関様には、オンプレミスによる院内でのデータ保有・運用の選択肢もご用意しております。しかし昨今、全世界で災害が増加傾向であることから、データのバックアップや、離島・過疎地域の遠隔診療なども対応できるクラウドのニーズが、年々大きくなっているのも事実です。
「Totalpac IT」以外にも、BCP対策として大型UPS(無停電電源装置)などもご用意しています。UPSは蓄電池を内蔵しており、災害時などに絶対止めてはいけない大型医療機器のシステムダウンを防ぎます。すでに全国の災害拠点病院に導入実績があります。
映像の統合・配信システムでは、診察に必要な内視鏡画像から院内に設置された監視カメラの画像まで、医療機関内の全ての画像を一括管理することができます。医局やナースセンターで共有したり、研修に活用したりと様々な使い方ができたりするので、医療現場では非常に重宝されているようです。
——あらゆる構成機器が用意されているのは心強いですね。提供機器の保証など、サポート体制はあるのでしょうか。
はい、パソコンやプリンターなどの周辺電子機器に関して、10年の長期保証がセットになっています。一般的にパソコンなどの電子機器の保証は、5~7年に設定されていることが多いのですが、電子カルテの保存可能期間はおおよそ10年であることから、そちらに合わせるようにしました。機器の交換や修理を迅速に行える体制も整備しているので、システムダウンや機器故障による業務停止のリスクを最小限に抑えられます。
——それは安心ですね。他にも、「Totalpac IT」の魅力はどのような点がありますか。
大きく分けて2つあると考えています。1つ目は、何と言ってもイニシャルコストが発生しない点ですね。サブスクリプション形式で利用できるため、初期投資を抑えながら最新のITシステムを導入いただけます。一般的に、例えば病床数が300床程度の病院がDX推進に取り組む場合、周辺機器やシステム構築、導入後の運用コストも加えると3億円を超えてしまうと言われています。「Totalpac IT」ですと、内容にもよりますが月々200万円程度に抑えられ、さらに機器保証なども含まれるため、DX化に関わる全てのサービスが月額で標準化されることになります。このサービスは、私たちが考える「日本の医療機関におけるDX推進のハードルを下げたい」という使命のためにも、絶対実現したい仕組みでした。おかげさまで多くの医療機関様にご満足いただけています。
2つ目は、一括管理・提供による運用の効率化です。医療機関は通常、機器ごとに契約を行わなければならず、導入に手間がかかることも課題でした。「Totalpac IT」は、文字通りトータルで契約・提供できるので、煩わしいやり取りを繰り返す必要はありません。また、私たちはこれまでの歩みの中で、多くの医療機器メーカーとのつながりを有しています。医療機関様のご要望に合わせた細やかな対応ができるのも、RYODENのサービスであると思いますね。
もちろん他にも、政府認定クラウドであるMicrosoftの「Azure」をクラウド基盤に採用していたり、長期にわたる機器保証だったりと、安心して長くお任せいただける要素も多くあります。
——実際に「Totalpac IT」を導入した医療機関様の例を教えてください。
導入されている医療機関様は、おおよそ病床数300床程度の中規模病院が多いです。施設数で言うと、全国で14施設に採用いただいています。いずれの施設も、やはり高額なイニシャルコストを懸念されていましたが、「Totalpac IT」の導入によりDX化を実現されました。また、導入後の運用に大きなトラブルはなく、これまで安定したシステム運用を実現しています。医療の現場は何よりも実績を重視されますから、安定稼働という点においても、信頼を置いてくださっているように感じますね。
さらに日々の業務のDX化だけでなく、UPS導入による有事に備えた仕組みも、医療機関様から支持を得ています。医療現場では、何かあってからでの対応では手遅れです。単なるシステム構築ではなく、医療現場の生の声を大切にしているからこそ実現できた総合支援だと思っています。
——今後の見通しを教えてください。
病床数が200床以下の小規模医療機関様にも、同サービスの導入提案を進めていきます。また、地域医療の連携強化のため、地方の医療機関様にもぜひご検討いただきたいと考えていますね。
DXによって患者データの一元管理が進めば、例えば患者が遠方へ引っ越してしまったとしても、クラウドのカルテに保管されている過去治療記録を基に、医師も患者も安心して治療を継続することができます。日本全体の医療DX推進において、私たちは重要な役割を担っていると自負しています。多くの医療機関様の課題を解決し、より良い医療サービスを提供するため、今後もその役割を果たしていくことが私たちの使命だと考えています。