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Remces

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収集したデータの可視化・分析・制御により生産効率、エネルギー効率、環境最適化を実現する統合監視制御システムです。

環境・エネルギー効率を「Remces」で最適化!脱炭素&省エネの未来を創りたい

——「Remces(レムセス)」はどのようなサービスですか。開発背景もあれば教えてください。

「Remces」は、工場・ビル・店舗などの設備を一括で管理し、環境・エネルギーの最適化を図る統合監視制御システムです。

当社には以前から、FA事業で展開する「電力監視」の仕組み、スマートアグリ事業の植物工場運営で培った「環境最適化・省エネ制御」や「工場設備運用・管理」など、お客様の課題解決に繋げられる優れた仕組みがありました。

しかし、これらは特定業種に特化していたこともあり、展開に限界がありました。そこで、昨今の社会課題の解決に貢献し、なおかつ事業拡大を実現するために、保有する技術やノウハウを統合する形で2021年4月当社オリジナル統合監視制御システム「Remces」が誕生しました。

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——RYODENのルーツが活かされたシステムなんですね。具体的には、どのような機能があり、どういった課題を解決できるのでしょうか。

近年、社会ではSDGs(持続可能な開発目標)に注目が集まっていますよね。私たちはお客様の現場で直接お悩みを聞く機会が多く、特にモノづくりの現場では、脱炭素化(省エネ)・省人化・労働環境改善の3つの課題に悩むお声が挙げられます。いずれも、これからどの企業も対応しなければならないテーマです。「Remces」は、これら全ての課題に対しアプローチできるサービスなんです。

「Remces」の主な機能は、データ自動収集、監視・可視化と分析結果に基づく各種設備の最適化制御です。具体的には、様々なセンサーを用いて、施設内の環境要素である温度・湿度・CO2濃度や電力・ガス・エアー・蒸気などのエネルギーデータをリアルタイムで収集し、稼働状況を詳細に把握します。そしてその収集データに基づき、システムが自動的に空調、照明等、各種設備の最適化制御を行います。多くの場合、施設全体で使用しているエネルギー消費量は把握できていても、「どこでどれくらい使っているか」まではわからないことがほとんどです。その状態では、エネルギーの削減方法も手探りになってしまいますよね。「Remces」を使い、設備の稼働状況とエネルギーの使用状況を把握、分析することで「何を改善すべきか」という最適なアクションが見えてくるんです。

また工場では、目視での設備巡回点検を1日に何度か行わなければなりませんが、設備保全の人材も不足しており、急な異変が起こっても対処が遅れてしまうといった課題があります。そのような時、人の代わりにシステムが設備の稼働状況監視や予知保全を行えば、これらの課題を解決できますし、データの自動帳票出力を行い、空いた時間を本来注力すべき業務に充てることが可能になります。

昨今では、企業の責任として熱中症対策も必要になっています。例えば暑熱対策のために環境監視・空調換気制御の仕組みを導入し、労働環境の把握、空調・送風・換気機器との連携制御により作業者の快適性に繋げられます。WBGT(暑さ指数)が一定値を超えた場合、管理者に早期アラートを上げ生産を止めたりするなどの対策も講じられます。

——施設全体の監視・制御システムとなると、導入・運用ハードルも上がりそうですが、どのようなサポートがあるのでしょうか。

一見大掛かりなシステムに聞こえますが、要望に合わせた細やかな対応が可能です。例えば「まずは電力監視からやりたい」「空調省エネ制御からやりたい」などスモールスタートでのご要望にも対応いたしますので、導入企業様には安心してお任せいただいています。お客様と一緒になって考え、課題解決のためのベストソリューションを提案するのがRYODENならではのスタイルです。

導入にあたっては、何を管理したいかなどを予算感とともに相談ベースで決めていきます。実際に私たちがお客様の工場などに足を運び、現場環境や課題を把握したうえで監視・制御のシステム提案を行います。また、システムは可能な限り無線接続をさせることで大掛かりな配線工事を減らし、工期や導入コストの削減に繋げられます。システム単体導入の場合、早ければ1週間以内に導入が完了します。

導入後も何かあれば私たちが遠隔でシステムを確認し、サポートを行います。(要契約)システムを導入いただいたお客様から、翌年さらなる機能追加・拡充の導入を相談いただくことも多いですね。導入して終わりではなく、継続してより良い環境整備を実現するためのパートナーとして認識いただければと思います。

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——それは心強いですね。その他に「Remces」ならではの特徴はありますか。

1つは、10種類以上のオープンプロトコルに対応している点です。オープンプロトコルとは、システム同士を繋げるために必要な共通仕様のようなもので、「Remces」は異なるメーカーのシステムでも横断的に使えるように設計されています。つまり、メーカーを問わず、既存のセンサーや設備と連携できるので、新たな設備に入れ替える必要がありません。効率的ですし、コストも抑えられますよね。既存インフラ設備を最大限に活用しつつ、合理的なエネルギー管理を実現できます。

もう1つは、各装置の監視データを見るためのダッシュボードが、非常にシンプルでわかりやすいということです。どんなに画期的なシステムだとしても、使いにくくては意味がありません。お客様ごとに業務に合わせた最適なダッシュボード、グラフ表示、分析ツールなどを加えてデータの視認性を上げ、必要な情報が簡単に取れるような設計を心掛けました。実際に、ダッシュボードの使いやすさで導入を決めていただいた企業様の例もあるほどです。

また、クラウドサービス、オンプレサービス両面での対応を行っていますので、セキュリティポリシーに合わせた形でご提案できる点もお客様に喜ばれています。

——導入事例があれば教えてください。また、どのような費用対効果があったのでしょうか。

年間70件ほどの施設からお引き合いをいただいています。導入後の一定期間は環境データやエネルギー消費量等のデータを収集・蓄積し、傾向分析等に充て、その後具体的な対策に移ることで、社内への意識づけや効率良く環境・エネルギーの最適化に繋げることができますよ。

事例でいうと、ある工場では年間で約1.2億円の電気代がかかっていましたが、導入後は年間1,000万円を超える電気代を削減できたそうです。そのため早い段階で投資額を回収できたことになり、大変喜ばれていました。

また別の工場では、1度の工場巡回業務に約1.5時間かけていましたが、導入後の現在では約3分に短縮できたと聞いています。労働環境の把握・改善も実現し、効率化も図れたそうです。

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——実績も多々あるんですね。今後の展開についても教えてください。

今後、数百、数千の施設を一括管理できるような、多拠点対応システムの展開も予定しており、開発や実証実験を進めています。これにより、ビルの管理会社や小売業など、幅広い業種にも「Remces」を活用いただけるようになるでしょう。その他、AIを活用したサービスの拡充も計画しており、さらなるエネルギー効率の向上と環境最適化、運用コストの削減を目指します。

施設における環境管理は、脱炭素やエネルギーコストの削減に繋がるだけではなく、装置の故障を未然に防ぐ予知保全にも非常に効果があります。人の目では見つけられない僅かな変化なども、システムで察知すれば早期に対処することができます。安定稼働を求められる施設は何かあってからでは遅いので、より多くのお客様へ自動監視制御の重要性を伝え続けていきたいですね。私たちができる最大限のサポートをさせていただきます。