ブランドに込めた想い
事業創出会社への挑戦、「RYODEN Tii!」に込める想い
——「RYODEN Tii!」立ち上げのきっかけを教えてください。
富澤:近年、社会が急速に変化する中でお客様の課題も複雑化・多様化していき、RYODENが今まで提供してきた代理店や商社の枠組み内のサービスでは、それらを解決できないもどかしさを感じていました。一方で、1947年の設立以来培ってきた技術やノウハウ、データなどを、IT技術と掛け合わせて新しい付加価値を生みだせるという確信もありました。そこで時代の転換に伴い、従来の物販に頼る商社ではなく、私たち自身が価値創造をしてお客様に提案していく企業になりたいと考えたのです。2020年からの5か年計画を立てた際に、「事業創出を続ける会社になる」ことを目標に掲げ、保有する技術を活かした様々な事業を展開してきました。そして昨年、ブランドから事業を変革させるBX(ブランド・バリューイノベーション)を推進するために、事業ブランドを策定することにしました。この取り組みにより、企業価値を多くの方に知ってもらい、さらに広範な価値創造を図ろうと考えました。初めてのことだったので、コーポレートコミュニケーションセンターのメンバーを中心に熟考を重ねて、どのように打ち出していくかを決定しました。
渡邊:最初に代表の富澤から、当社のオリジナル製品群のブランディングを任された時は、なんの経験則もなく手探り状態でした。しかし、当たり前かもしれませんが、自社のオリジナル製品は自分たちで宣伝していかなければ、それがどんなに良いものであっても世の中には広まりませんよね。したがってどうすれば私たちのサービスの魅力を知っていただけるかについて検討を重ねました。結果として、RYODENが目指す事業創出会社として、新事業開拓の旗印となるブランド「RYODEN Tii!」が誕生しました。
——確かにソリューションの製品群をブランド化する取り組みは珍しいですね。「RYODEN Tii!」というネーミングには、どのような想いが込められているのでしょうか。
富澤:「RYODEN Tii!」は、誰も気付いていない潜在課題にRYODENが着目し解決する、という意志を込めたブランドです。ネーミングの「Tii」は、英語の「This is it!(その手があったか)」から着想を得ています。
木村:これまでと異なるRYODENを体現するためにも、声に出して読んだ時に愛着が湧くような印象であることも重視しました。また、「T」の横に位置する2つの「i」は、人が肩を並べているようにも見えますよね。お客様に寄り添い、「人とテクノロジーをつなぐ力で“ワクワク”をカタチにする」というRYODENのパーパスにも通じています。
——RYODENの想いが込められたブランドなのですね。製品群に関しては、どういった共通項や意図があるのでしょうか。
富澤:共通項は「現場力」と「課題解決力」です。私たちはかねてより、お客様の課題解決を軸とした商品・サービスを提供し続けてきました。ただモノを売るだけではなく、お客様の変化に気付いて潜在的な課題を解決する、この2つの力を培ってきたんです。今展開している製品群は、これらの共通項を軸に、課題解決の幅を広げたものの集積です。競合他社との差別化ではなく、お客様に寄り添ってきた私たちにしかできない「異質性」のある提案をすることが、RYODENの目指す「事業創出の継続」に繋がると信じています。
渡辺:「現場力」と「課題解決力」は、お客様との信頼関係の上に成り立っているのですが、問題を察知する五感、解決するための技術力と提案力などが含まれています。実際にお客様に接する営業担当者に話を聞くと、キラキラとした笑顔でお客様のことや自身の仕事について話してくれますよ。お客様側からも信頼のお声をお寄せいただいています。真摯に向き合い、誇りを持って仕事に取り組んでいるからこそ、自分事として行動したり、お客様と強固な信頼を築けたりするんです。
木村:まさにそういった、私たちが積み重ねてきた力を具現化したものが「RYODEN Tii!」です。当社の人のチカラを旗印とすることで、既存事業で培った技術やノウハウを掛け合わせて実現する事業創出への意識を深め、社員のモチベーションも高めたいという意図もあるんです。
渡邊:実際に「RYODEN Tii!」は社内でも評判は良く、肯定的な反応も多いです。言葉で「現場力と課題解決力から生まれたオリジナル製品のブランドです」と伝えるより、実際にブランド製品群として存在しているという事実が、社内外問わずより強固な訴求力になるのではないかと感じています。
——「RYODEN Tii!」を通して、さらに広範かつお客様に寄り添った提案を実現しているのですね。
富澤:そうですね。私たちは「発掘・発想・発案・発進」の「4つの発」を念頭に、渡辺(豊)が先程申したように、個々の社員がお客様と向き合い、課題を解決してきました。それを仕組みとして形にしたのが、「RYODEN Tii!」なんです。
渡邊:実際に製品を導入いただいているお客様からも評価をいただき、現場をより良くするための私たちの提案を検討いただいています。「RYODEN Tii!」として展開することで、保有するナレッジや既存技術の組み合わせも増え、より多様な課題に対応できる可能性も広がりました。業種を問わず、「改善すべき点はあるが、何をどうすればいいのか分からない」といった漠然とした現場の困りごとも、ぜひお声がけいただきたいと思います。私たちの持つ「つなぐ力」と「カタチにする力」で、お客様の気付かない課題を解決し「その手が、あったか。」を一緒に見つけていきます。
——今後「RYODEN Tii!」は、どのように発展していくのでしょうか。
富澤:現在は6つのサービスを軸として展開していますが、今後はこれらに付随する技術を繋ぎ合わせ、事業の枠組みを超えて、新しい価値を生み続けたいと考えています。例えば、スマートアグリやヘルスケア分野などの領域での価値創造を目指しています。
これからは、ユニークかつ社会のスタンダードになる技術が求められます。私たちはすでに、異質性のある技術を保有しています。他には無いユニークな技術を、社会のスタンダードとして浸透させていくという視点を持ち、「RYODEN Tii!」を進化させ続けたいと考えています。
渡辺:私たち自身も、早く様々なサービスを展開していきたいと思っています。純粋に楽しみですよね。「RYODEN Tii!」を社内、社外を問わず、広く認知してもらえるように、私たち自身が体現者となっていきたいですね。
——RYODENとして思い描く展望を教えてください。
富澤:「RYODEN Tii!」や既存の基幹事業を軸に、他には無い「異質性」のある企業として変革を続けていきたいです。異質化は価値を生み、やがて利益を生みます。そうすれば、事業創出の発想は尽きることなく続いていくでしょう。まだまだ具現化できていない課題解決策は多くあります。これからも、発掘したアイデアを基に新たなソリューションを提供し続け、「RYODEN Tii!」を通じて企業全体の価値創造を推進していく所存です。
プロフィール
取締役社長
富澤 克行 氏
コーポレートコミュニケーションセンター
センター長
渡邊 憲一 氏
コーポレートコミュニケーションセンター
渡辺 豊 氏
コーポレートコミュニケーションセンター
木村 桜 氏