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ATLAS-Things

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製造業向けにパレットや通函・専用容器などをRFID等により個品管理することで、「モノ」の入出荷記録を見える化するクラウドサービスです。

コスト削減と効率化を実現!「ATLAS-Things」によるリターナブル容器管理の革新

——「ATLAS-Things(アトラス・シングス)」はどのようなサービスですか。

「ATLAS-Things」は、モノの入出荷管理に特化したクラウドサービスで、特にリターナブル容器の個品管理ツールとして導入実績があります。リターナブル容器とは、商品の運搬に使われている、プラスチックパレットや折り畳みコンテナなどのことを指します。具体的にどのように管理するかと言いますと、RFID(自動認識技術)などを用いて読み取ったリターナブル容器の固有IDを、クラウドで一元管理する仕組みになっています。パレットなどのリターナブル容器自体の管理も可能ですが、紐づけた商品(中身)の情報も管理できるという点において、業界的にも珍しいサービスです。

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——確かに特異性のあるサービスですね。開発のきっかけは何だったのでしょうか。

実は、元々私たちは特定拠点間での入出荷管理ツールを提供しており、お客様にご活用いただいていました。その際、「グローバル展開を考えているが、複数拠点を経由するリターナブル容器も正確に管理できないか」と相談を受け、それが開発のきっかけとなりました。お客様の要望に全力で解決策を見出すのが私たちの使命です。経由地の環境もわからず、拠点地の増減もあると想定すると、クラウドで管理する全く新しいものが必要なのではという結論に至り、新たにシステムを開発しました。お客様の声から生まれたクラウドシステム、それが「ATLAS-Things」です。

従来、物流におけるリターナブル容器の課題は山積みでしたが、工数もかかることから現実的に管理が難しく、長い間見過ごされてきました。例えば商品が納品地へ運ばれた後、リターナブル容器は送り元に戻さなければいけませんが、容器を数える手間をかけられなかったり、拠点ごとに管理体制が異なったりするため、紛失や盗難も大量に発生しています。どの段階でリターナブル容器がなくなったかなどの詳細も把握できないため、企業様は仕方なく定期的に莫大なコストをかけて、リターナブル容器の補充を行っています。毎年1億円以上かけてパレットを購入しているという企業様も少なくありません。グローバル物流において、リターナブル容器の補充は避けられないコストであるという認識が深く根付いているんです。

しかし、もしも全てのリターナブル容器を個品単位で一元管理できたらどうでしょうか。確実に回収ができるのであれば、そのコストを削減できますよね。加えて、国際輸送の場合は、正確な容器数を申告しなければ脱税とみなされてしまいます。一方、容器にRFIDタグをつけて個体管理することで免税特例も受けられます。これらを実現するためにも既成概念を覆し、お客様に新しい価値を提供したいと考え、開発に向き合いました。

——難しいとされてきたリターナブル容器の個品管理を実現したんですね。具体的に、「ATLAS-Things」の特徴や、期待できる効果を教えてください。

RFIDリーダーやバーコードリーダーで読み取ったデータを、クラウドで一括管理することで、各拠点のリターナブル容器の個数を正確に把握でき、紛失や盗難が起こった際にも発生場所を突き止められるようになります。独自のコード体系だけでなく、ISOなどの国際標準規格や業界標準のコード体系にも対応可能なクラウドサービスです。また、APIを公開しているので、お客様が所有しているハードウェアをご利用いただくことも可能です。

ユーザーインターフェースは、ダッシュボード画面とデータ分析のための画面を用意しています。ダッシュボード画面では、マネージャーの方が一目でわかるような拠点ごとの在庫状況などのグラフを用意しています。データ分析の画面では、様々な検索条件を入れることで、リターナブル容器の種別ごとに在庫数を表示したり、平均リードタイムを表示したりすることも可能です。ExcelやCSVファイル形式でエクスポートできますし、BIツールとの連携も可能ですので、活用方法も広がりますね。

技術は単体で完結するものではなく、現場で本当に使えるものでなければいけません。私たちの持つ技術が課題解決に役立つのであれば、大いにご活用いただきたい。そんな気持ちで展開しています。

料金形態にも特徴があります。入出荷数が月20,000個以下であれば、月額5万円からクラウドサービスを提供しています。1か月から利用できるので、「まずはやってみよう」と気軽にお試しいただけるサービスになっています。開発当初、世間的にはサブスクリプション形式を採用するシステムサービスは少なかったのですが、導入のしやすさを追求した結果、この形に行き着いたんです。最初は不安でしたが、サブスクリプション形式が社会に定着していき、さらにお客様からのご支持もいただけたのでチャレンジしてよかったなと感じますね。

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——導入が容易なのは魅力的ですね。導入後のサポートがあれば教えてください。

「ATLAS-Things」のクラウドシステムは、常時システム監視とメンテナンスを実施しています。運用開始してから今まで大きなトラブルは一度もなく、安定して稼働し続けています。また、RYODENとしてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証も取得しており、情報セキュリティにも注力しておりますので安心してご利用いただけます。

今まで、「ATLAS-Things」というクラウドサービスについてお話してきましたが、導入時に利用するRFIDのハードウェアや頑丈で特殊な環境でも使用できるRFIDタグも提供しており、お客様の用途に合った製品を選定いたします。システム導入にあたっては、RFIDの専門家がお客様と一緒に検証して参りますのでご安心ください。

——実際の導入効果や利用例などがあれば教えてください。

製造業では、製品は完成しても、それを運ぶリターナブル容器の確保ができずに出荷が遅れてしまう問題も起こりますが、「ATLAS-Things」で管理することで、適正な数のリターナブル容器を適正なタイミングで各拠点に配置させることができ、機会損失を防ぐ効果があったと言います。生産計画などもより正確に行えるようになりますよね。また、リターナブル容器の適正在庫がわかったことから、過剰購入を防げたという例もあります。

RFIDを利用したリターナブル容器管理システムを導入している企業様は、自動車メーカーなどの製造業が多いですが、リターナブル容器を使う企業様であれば検討いただけると思います。例えば、ガスボンベやビヤ樽、カゴ台車なども該当します。

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——リターナブル容器を使う企業様に向けて、メッセージをお願いいたします。

どの業種でも「リターナブル容器がなくなる」「どこに何個あるか把握できない」などの悩みはあるはずです。同時に、現実的に対策を講じるのが難しいという、半ば諦めに近い認識もあると思います。そんな企業様にこそ、イニシャルコストのかからない「ATLAS-Things」を導入して、従来見えなかったモノを「見える化」できる便利さを実感していただきたいんです。

モノの管理方法も時代と共に変わりつつありますから、ぜひRFIDの導入もご検討いただきたいです。電車の切符一つとっても、紙の切符からICカードへと変わっていきましたよね。時代の変化に伴い、新しいシステムを活用して効率化を図ることが、継続的な事業展開を行ううえでは重要です。RFIDを導入すれば、生産管理や出荷管理の費用を抑えられますし、トータルで考えると大幅な資源削減になります。その他、モノの管理に関して、幅広い領域でソリューションをご用意しているので、何かしらの形でお力になれると思います。些細なことでもぜひご相談いただきたいですね。