2024.9.30

専門家とAIのタッグで「食の安全」を守る

アース環境サービス株式会社様事例

日本は清潔で安全な国として知られていますが、その背景には食品メーカーや飲食店の絶え間ない努力があります。2000年に大手乳業メーカーで発生した食中毒事件から四半世紀経った今も、SNSでは「食の安全性」を脅かすニュースが連日のように拡散され、食品衛生管理の重要性は高まる一方。
RYODENのPescleはAI/IoT×センサで害獣を早期発見・分析し、食品の衛生管理の専門家と二人三脚で、次世代の「食の安全」を守ります。

ネズミ算 vs 専門家のフットワーク

福永様と西濱様インタビューシーンアース環境サービス株式会社は、工場や店舗の衛生環境や品質に課題がないかどうかを現場診断し、最適な解決策・予防策を提案する「総合環境衛生管理事業」を全国展開。現場での幅広く深い知見と科学的根拠を基に、環境ドクターがお客様個々の環境に合わせたトータルヘルスケアシステムを提供しています。食品工場のみならず、医薬品工場や再生医療関連施設におけるネズミ対策や管理も、その一つ。
「これまでは現地でネズミの足跡を確認したり、動きがあるものを撮影するトレイルカメラの映像で判別したりして、それから対策を実施していました。この方法は専門家のマンパワーがかかるだけでなく、発生から対策実施まで時間がかかることも問題でした。」
一般的なネズミは、妊娠から出産まで約20日程度。旧来の製品では、現場に設置したトレイルカメラの映像を月に一度回収し、ネズミが映っている映像を選別・診断を経て対策を実施しており、ネズミが繁殖する前に検知・阻止することは困難でした。

AI検知の翌日からスピーディに繁殖防止

「Pescleはリアルタイムモニタリングでネズミを検知して、サーバを経由して担当者に即時通知。録画の中から必要な映像を選り分ける手間もなく、すぐに必要な映像をチェックして、翌日には現地で対策を講じることが出来ます。対応スピードは圧倒的に早くなりました。」
Pescleはアース製薬研究所が研究用に飼育するネズミの撮影から学習を重ねたAIを搭載。ネズミを検知・録画し、サーバに送信して、担当者に即時通知。現地を訪問して録画データを取り出すタイムラグが不要になるのはもちろん、ネズミが映っていない映像シーンを取り除く手間も不要となり、ネズミが繁殖する前に対策を講じるスピードを実現。これまで映像データの回収・選別で1か月以上かかっていた作業を、Pescleが即日まで圧縮することで、検知翌日のスピーディな対策が可能になりました。

早く広く、専門家の知見を提供する技術革新

PescleAI/IoTによるブレイクスルーは、時短効果だけではありません。
「各地の営業所で判断に迷うケースでも、経験の長い社員がサーバにアクセスして当該映像を確認することで、現場への指示をタイムリーに届けることが可能。早く適切な対策を講じることで、繁殖させないことが大切です。」
携帯電話の無線通信技術を活用することで、人数が限られる専門家の知見を、全国の現場にスピーディに提供することが出来る。技術革新は対応スピードだけでなく、高度な専門知識を全国各地に届ける「品質」にも一役買っています。

さまざまな侵入経路に対応するポータブル仕様

「Pescle以前の製品は誤検知が多いだけでなく、専門のエンジニアが現地で設置するという手間もありました。Pescleは乾電池式で、携帯電話の無線通信を利用しているので、電気や通信の敷設工事も不要です。専門家を派遣するまでお待ちいただくこともなく、現地に設置してボタン一つで利用を開始できる。導入へのハードルの低さも、こだわりの仕様です。」
工場など現場事情に精通する専門家ならではの、きめ細やかなこだわりが製品に活かされています。

専門家とAIのタッグで安心を提供する

福永様と西濱様インタビューシーン「一番の進化は、ネズミが侵入していないと証明できること。駆除などの対策はこれまでと変わらず専門家がしっかりと実施していますが、Pescleと専門家のタッグで防御して、お客様に安心を提供できるようになりました。」
かつては専門家の到着を待ち、ネズミの足跡など古い情報を頼りに対策を講じて、数か月足跡が更新されない状態になってようやく「対策が功を奏してネズミが居ない」と推定するしかありませんでした。
現在では対策実施後、侵入経路に殺鼠剤とPescleを設置することで、「侵入していない」「侵入した個体が殺鼠剤を摂取した」という状況を逐一監視できるようになりました。侵入経路を熟知した専門家と、絶えず監視するPescleが協働防衛することで、現場でネズミが繁殖していない環境だと太鼓判を押せる。
「いずれはドローンなどを併用して、敷地全体で害獣が居ない状態を保ったり、害獣の雌雄や成幼を検知して緊急性を判定したり、さらなる進化に期待しています。」
これまで専門家・職人の知見とフットワークを頼りに、後手の対策を半世紀以上強いられてきた害獣駆除の世界。AI/IoTの技術革新が生み出した次世代ソリューションPescleは、現場の効率化だけでなく、働き手不足が懸念される業界の持続可能性にも貢献しています。

アース環境サービス株式会社

執行役員 技術部 部門長
福永 貞夫 様

技術部 西日本エリア長 (兼) 彩都総合研究所 研究開発センター
西濱 丈晴 様

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